AWS 障害分離境界

発行日: 2022 年 11 月 16 日 (ドキュメントの改訂)

要約

Amazon Web Services (AWS) には、アベイラビリティーゾーン (AZ)、リージョン、コントロールプレーン、データプレーンなど、さまざまな分離境界があります。このホワイトペーパーでは、AWS が、これらの境界を使用してゾーンサービス、リージョンサービス、グローバルサービスをどのように構成するかを詳しく説明します。また、さまざまなサービスへの依存関係をどのように考慮し、これらのサービスを使用して構築したワークロードの回復力をどのように向上させるかについての規範的なガイダンスも提供します。

Well-Architected の実現状況の確認

AWS Well-Architected フレームワークは、クラウド内でのシステム構築に伴う意思決定の長所と短所を理解するのに役立ちます。このフレームワークの 6 つの柱により、信頼性、安全性、効率、費用対効果、持続可能性の高いシステムを設計および運用するための、アーキテクチャのベストプラクティスを確認できます。AWS Management Consoleで無料で提供されている AWS Well-Architected Toolを使用すると、柱ごとに一連の質問に答えることで、これらのベストプラクティスに照らしてワークロードを評価できます。

クラウドアーキテクチャに関する専門的なガイダンスやベストプラクティス (リファレンスアーキテクチャのデプロイ、図、ホワイトペーパー) については、AWS アーキテクチャセンターを参照してください。

序章

AWS は、グローバルインフラストラクチャの運用により、お客様が柔軟性、安全性、スケーラビリティ、可用性の高い方法でワークロードをデプロイするために役立つクラウドサービスを提供します。AWS のインフラストラクチャでは、複数の障害分離構成を使用して、お客様の回復力の目標の達成を支援します。これらの障害分離境界により、お客様は、障害の影響を指定した予測可能な範囲に限定するようにワークロードを設計できます。また、これらの境界を使用して AWS のサービスがどのように設計されているかを理解することも重要です。この理解により、ワークロードに合わせて依存関係を意図的に選択できるようになります。

このホワイトペーパーでは、まず、AWS のグローバルインフラストラクチャとその障害分離境界、および AWS がサービスの設計に使用するパターンのいくつかを紹介します。次に、この知識に基づき、AWS が提供するさまざまなサービスカテゴリ (ゾーン、リージョン、グローバル) について説明します。また、これらの分離境界とさまざまなサービスカテゴリを使用して、AWS で実行するワークロードの回復力を向上させるためのアーキテクチャの構築に関するベストプラクティスも示します。特に、グローバルサービスに依存しつつも単一障害点を最小限に抑える方法に関する規範的なガイダンスを提供します。このガイダンスを参考にして、AWS の依存関係や、高可用性 (HA) とディザスタリカバリ (DR) を実現するワークロードをどのように設計するかについて、十分な情報に基づいた選択を行うことができます。